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岸谷五朗、実は大の写真好き!キース・ヘリングの最新舞台やカメラについて語る

映画やドラマ、そして寺脇康文さんとのユニット「地球ゴージャス」での活動などを筆頭に、自身のホームである“演劇”を通して多くの観客を魅了する俳優・岸谷五朗さん。彼が演出をてがける最新舞台<ラディアント・ベイビー〜キース・ヘリングの生涯〜>は、80年代のNYを舞台に地下鉄などをキャンバスに変え、アメリカン・ポップ・アートの旗手となったキース・ヘリングの生涯を描いた「歌あり」「ドラマあり」のミュージカル作品。これは自身が発起人となったAIDSの啓蒙活動<Act Against AIDS>を通してキースの作品に長年触れてきた岸谷さんにとって、その思いが初めて役者業の中で結実した作品になっています。

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主要キャストとして登場するキースの朋友で写真作家のツェン・クワン・チーの話題にも明るい岸谷さんは、フィルムの一眼レフカメラを使用し、暗室で現像をしていた経験を持つほどのカメラ好き。今回は「キース・ヘリング」と「写真」それぞれにまつわる、岸谷さんにとっての「思い出」「体験」を語っていただきました。

Interview:岸谷五朗

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――今回はキース・ヘリングの生涯をテーマにした舞台<ラディアント・ベイビー>の演出を担当されますが、岸谷さんは彼のアート作品をキーヴィジュアルにした<Act Against AIDS>の活動などを通じて、彼の作品に長年触れてきていますね。

93年に<Act Against AIDS>をはじめたころは、まだみんなのAIDSという病気に対する知識がない時代でした。「握手するとうつるんじゃないか」「話しているだけでうつるんじゃないか」と、知識がないから差別が生まれていたんですね。つまり、この病気の一番怖いところは、一番大切にしなければいけない「人間同士の絆を壊す」ことだったんです。僕はそのころ、HIV患者の14歳の女の子から手紙をもらったのですが、そこに書かれていたのも、「病気よりも差別が怖い。私の周りから人がいなくなる」ということでした。「これは何とかしなければいけない」という気持ちから、<Act Against AIDS>の活動を始めました。そのとき、強い意味のあるシンボルが欲しいと思って、AIDSで亡くなり、死ぬまでにその啓蒙/啓発活動をしてきたキースの作品を使わせてもらえないかと、キース財団にお願いをしたんです。この活動は寄付が目的なので、活動自体にお金をかけることはできません。けれども、そうした条件を財団の方が飲んでくださって、キースのイラストを旗印にした運動が始まったんです。それは自分にとってすごく勇気をもらえたことで、彼の絵でなければ、その勇気は薄れていたかもしれない。だから、ブロードウェイ作品の<ラディアント・ベイビー>と出会ったとき、「やっと自分の本業で、キースに恩返しができる」と思いましたね。

――なかでも今回の作品では、彼の生涯を通して「居場所を探す」というテーマが描かれているように思えます。

それだけではありませんが、彼は31歳で亡くなっていて、その人生は「自分探しだったんじゃないかな」と思うんですよ。自分がわからないし、自分の表現する場所がないし、それをどうやって見つければいいかもわからない。これは、生きている人間がみんな共通して悩み、傷ついているテーマです。今回の<ラディアント・ベイビー>では、そんなキースの人生を、メンバー全員でしっかりと大汗をかいたエンターテインメントとして作り、届けていきたいと思っていますね。どれだけキースが熱く必死に生きたかを通して、我々みんなが持っているテーマをぶつけたい。キース・ヘリングの生きざまのすべてを演劇にすることで、観てくれた人々も「明日元気に生きられるんじゃないかな」と思いますね。

――「写真」に関していうと、キースの地下鉄アートなどを写真作品として残したツェン・クワン・チーも主要人物として登場します。彼についても教えていただけますか?

彼はキースが心を許している人物で、クワンが撮る写真にはキースのことがよく表れているんです。その中に、キースをすごく寄りで撮っているものがあるのですが、それらを見ていると、クワンは写真を通してその撮られる人を信じている人物だというのが伝わってきます。「撮られる人/撮る人がお互い信じているかどうか」は、写真にも表れるし、ものすごく大きなことだと思いますね。

――岸谷さんも自分で写真を撮ったり、撮られたりすることはお好きですか?

写真は本当に好きです。中学のころ、写真部だったんですよ。暗室で現像をしていたし、当時の最先端のフィルムカメラを使っていて、レンズも300mmぐらいの望遠レンズを持っていました。そのカメラは、実は今でも持っていますよ。

――そうだったんですか!写真部に入ったきっかけはどんなものだったのでしょう。

もともと写真が好きだったんです。子供のころに公団住宅に住んでいたんですが、モノクロの写真のなかで自分と一緒に写っている母親がえらく美しくて、その顔が幸せそうだったりして。「俺はこんな笑顔の中で育てられたんだな」と写真で知った経験もありますね。だから、僕は日常的にすごく写真を撮っているし、(写真を収めた)アルバムも家にたくさんありますよ。チェキで撮ったいい写真を財布に入れたりもしています。実は芝居のたびに楽屋に出して、飾っている写真が1枚あるんですよ。これは見せないし、教えないですけどね(笑)。

――(笑)。では、チェキにはどんな魅力を感じますか?

チェキは出てきて初めて、どんな写真になったのか分かりますよね。それがいいんだよなぁ。今は携帯電話でも写真を撮れますけど、それとは少し違うというか。僕は何枚も撮ってやろうというデジタル写真は、あまり好きではないんですよ。今は連写でババババッと撮るので、「シャッターチャンス」という言葉がない。でもフィルムカメラは「(フィルムが)1枚いくら」という感覚があるので、その1枚に時間をかけますよね。フィルムはそこが命で、「鶴が飛び立つ瞬間」のように、その瞬間にかけるというか。それで結局、「あーっ、上手く撮れたのに目をつぶってる!」とかね。

――ええ、とてもよく分かります。

そういった「1枚の写真を撮る貴重さ」というのものが、チェキにはあると思います。複製ができないので、すごくいい写真を撮っても「その1枚しかない」のもチェキならではですよね。

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今回使用したチェキ

“チェキワイド” instax WIDE 300

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